感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

ハリー・ポッターと賢者の石

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)
J.K. ローリング J.K. Rowling 松岡 佑子

おすすめ平均
Interesting ideas, but no depth for adults
とても 楽しい 本です
Enter into the world of Harry Potter...
賢者の石 携帯版
読みやすかったハリーポッター

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彼が同タイトルのゲームをやっているのを見ていたら、再読したくなりました。

ハリー・ポッターシリーズの1作目。
もう有名すぎるほど有名ですが・・・。
最初に読んだのは、2000年10月頃。
当時まだお付き合いもしていなかった今の旦那さんに貸してもらったんだ。
これをキッカケに本の話で盛り上がるようになり、他のこともイロイロ話すようになり、そして今のお付き合いに繋がっていったという、私にとってはとても思い入れのある作品なんです。
初めて読んだ時には、ただただワクワク。
設定、登場人物、ホグワーツのすべてが魅力的に感じて、夢中で読み終えた記憶があります。
伏線もあちこちに張ってあるし、ストーリーの展開もドキドキしちゃいます。

映画を観た時には『原作から思い描いていたイメージそのまま!』と感激したり『あのシーンがないなあ』と思ったりしてました。
そして今回の再読では、読みながら自然と映画の場面が思い浮かんできました。
いい感じに相互作用。

前回は展開が気になって急ぐように読み進めちゃったんですが、今回は2回目ということで、より大切に読んだような気がします。
ダンブルドア先生が最後に得点を発表するところでは感動・・・。
やっぱり好きです、ハリー・ポッター。

2004/10/09 Sat | 本 > 海外の小説 > J.K.ローリング

これは王国のかぎ

これは王国のかぎ
荻原 規子

おすすめ平均
読み易い!
魅力的な登場人物たち
綺麗なオモチャ
純粋に楽しむ
久しぶりに気楽に楽しく読めました

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主人公であり語り手でもあるのが、「あたし」。
15歳の少女です。
文章の所々で話し言葉が使われているから、何となく誰かの話を聞いているような気分で読んでました。

内容は、児童向け?なのかな?
ファンタジーという感じのストーリーでした。

普通に暮らしていたのに、ある日を境に魔法使いになってしまった「あたし」。
出会ったばかりの「ハールーン」と旅をすることになりました。
魔法を開発しつつ進んで行く内に、いろいろな事件に巻き込まれていきます。

楽しく読み終えたけど、最後がちょっと物足りなかったというか寂しくなったというか。
だってハールーンが・・・。

2004/10/02 Sat | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 荻原規子

天国までの百マイル

天国までの百マイル
浅田 次郎

おすすめ平均
マリに泣かせられた。
中学生でも
ふと我に返って考えさせられてた
全ての人に読んで欲しい本
電車の中など人の目があるところでは読まないようにしましょう!

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主人公は、四十歳の「城所安男」。
一時は社長として贅沢な暮らしをしていたものの、バブル崩壊で倒産。
自己破産、離婚と続き、別れた妻への仕送りは養育費含めて月々30万円。
どうにもならない日々を送っています。

そんな時、母が倒れて入院し、このままでは命が危ないことが判明するのです。
日本一の腕を持つという教授も匙を投げるような病状。
そんな中、千葉にあるサン・マルコ病院ならもしかして・・・ということに。
しかし、兄弟たちは、金は出すから勝手にやれといずれも薄情。
そして安男は、誰にも頼らず一人で母を病院に運ぶことを決意するのです。

母とのやりとりや、道中での優しい人たちにグッと来てしまいます。
胸が詰まるような気持ちで読み進め、ティッシュが必要になる場面もちらほら。

サン・マルコ病院の人たちはみんな魅力的で、こんな病院があったらいいなあとつくづく思ったよ。

私事ですが、ちょうど1年前、彼のお母さんが倒れました。
ICUに入り、一度はとても危険な状態に。
そして、治療費って、本当に高いんだなあと思った。
そういうことがあったので、何だか主人公に親近感を持っちゃいました。

安男の兄弟たちは、お金や地位があるから母親のことを忘れちゃっているんです。
貧乏だった子ども時代や、母の苦労を顧みないのです。
安男はそれを間違っていると思うけれど、母はそうじゃないと言う。
母の思いと子の思い。
読んでいて、どちらも理解できるような気がしました。

お金があれば大抵のことはできる。
なければ、お金で買えない大事なものを感じられる。
どちらが幸せなのか?
読み終わった後も、しばらくボーっと考えちゃいました。

それともうひとつ。
「マリちゃん」という女性が登場するんですが、彼女もとても魅力的でした。
でも、すごく切なかったです。

2004/09/26 Sun | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 浅田次郎

ハサミ男

ハサミ男
殊能 将之

おすすめ平均
やられた・・・
中盤までは…。
興味津々…
どんでんがえし
日常

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少女の首にハサミを突き立てて殺害する「ハサミ男」。

「ハサミ男」は3人目のターゲットを付け狙い、準備を整えていた。
しかし、いよいよというところで、ハサミ男はターゲットが殺されている現場を発見してしまう。
凶器も手口も同じ・・・偽ハサミ男の出現。
本物のハサミ男は、偽者に興味を覚えて調査を始めます。
もちろん、警察でも捜査が進行。

ラストには、意外な展開が大きいもので2つ用意されてました。
その内の1つは、前半で『これはもしかして・・・』と気付いてしまっていたのだけど、それでも面白かったです。

読み終わってすぐに、もう一度確認しながら読みたいなあと思うような作品でした。
何となく読み進めていた部分も、読み返したら『そうだったのか!』って思う気がする。

ラストの後はどうなったんだろうと思うと、少しモヤモヤ。
でも、そういうことをアレコレ想像しちゃうってことは、やっぱり面白かったってことなんだろうな。

2004/09/24 Fri | 本 > 日本の小説・エッセイ > さ行 > 殊能将之

スクランブル

スクランブル
若竹 七海

おすすめ平均
卵のように
混沌とした迷いはまるで卵がかきまぜられたようで

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この人の作品は、初めて読みました。

舞台は1980年、主人公は女子高の生徒である5人組。
高校から編入した彼女たちは「アウター」と呼ばれ、何かと言えば差別的な態度をとられてしまっています。
変な目で見られることも多々。

強がったり興味がないフリをしたり、「学校」という小さな社会を彼女たちなりのやり方で生きて行く日々。
物語の前半、十七歳の少女が校内で殺されるという事件が起こります。
彼女たちは、それぞれに推理を働かせ犯人を見つけようと知恵を絞る。

結局、犯人は誰なのか?
それは1995年、32歳になった彼女たちが出席する結婚式で明らかになってきます。

しかし、推理小説というよりは、高校生のほろ苦さが描かれているといった方が近いかも。
他のグループの目、先生の態度、少し乱暴な言葉遣い。
あぁわかるなーと思ったけれど、言葉はちょっと荒っぽすぎる気もしました。
1980年の高校生というとこんな感じだったのかな?
でも、95年になっても荒っぽさが抜けてないっていうのが気になった。
旧友と会って気分が当時に戻ったからという理由も考えられるけど、年月が経てば自然と雰囲気とか言葉遣いも変わっていったりするんじゃないかなぁと思いました。

2004/09/20 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > 若竹七海

サイン

サイン/コレクターズ・エディション
メル・ギブソン M.ナイト・シャマラン ホアキン・フェニックス ローリー・カルキン

おすすめ平均
スティーヴン・キング好きのアナタにもお奨めです
突っ込みどころ満載で楽しめます。
怖い怖いと聞いていたので…
どこがいいのかわからなかった
音楽だけがよかった。

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【★★★】
私はまあまあ面白かったと思ったんだけど、彼は強引すぎてよくわからないって言ってたな。
設定的にはダーリンの好きそうな方向だったのに、残念。
私はというと、初めてメル・ギブソンが出てる映画を観ました。
今までメグ・ライアンとかぶってかぶって、わかっていながら毎回女の人だと思っちゃってたんだけど、やっとこの呪縛から逃れられそう(笑)。
子役の男の子はカルキン兄弟の末っ子らしいよ
ローリー・カルキンくんっていうみたい。
マコーレーくんは捕まっちゃったねぇ。

怖い映画だと思ってたから、女の子がいつ豹変するんだろう?とか勝手に推理して待ってたの。
でもそんなに怖くなかったし、女の子も豹変することなく終了。
「サイン」の考え方は割と好きなんだけど、あの横切った宇宙人の姿はちょっとショボいような気がしましたー。

2004/09/17 Fri | 映画 > 洋画 > さ行

ボーリング・フォー・コロンバイン

ボウリング・フォー・コロンバイン
マイケル・ムーア チャールトン・ヘストン

おすすめ平均
アメリカの実態と罪を面白おかしく、皮肉っぽく描く
繰り返し、見たいかどうかは分からないが、超面白いのは確か
笑いと左翼は両立しうる
最高!!
アメリカの恐怖社会

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【★★★★】
TVでやってたので吹き替え版で。
映画っていうよりもドキュメンタリーという感じ。
アメリカがどうして銃社会なのかということや、銃保持の多いカナダで殺人が少ないのはなぜかということなどを、インタビューをしながら解明していくという展開。
「そうなのっ?」っていう事実がたくさんあって、何となく見始めた割には最後まで見入っちゃいました。
「華氏911」も観てみたくなったよ。

2004/09/16 Thu | 映画 > 洋画 > は行

Y

Y
佐藤 正午

おすすめ平均
もしも…
「たられば」話し
スピード感があってよかった。
おもしろ過ぎる!!
いろいろ考えせられました。

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物語の発端は、主人公「秋間文夫」のもとに掛かってきた一本の電話。
相手は「北川健」という男で、高校の同級生であり、かつて秋間文夫の親友だったと言う。
しかし、秋間にはまったくそんな記憶はなかった。

数日後に、秋間は北川が書いた物語を代理人から手渡される。
躊躇しつつも読み進めるうちに・・・という感じの始まり。
設定が、最近読んだ「七回死んだ男」「ライオンハート」と似た印象を持ったなぁ。
あぁ本当にこういう題材の話ってよくあるんだと思ったけれど、やっぱり面白く読んでしまった。
こういうのが好きってことなのかも。

半分くらい読んだところで家事をするために手を止めて、食器を洗いながら今後のストーリーをあれこれ考えてみたりしてました。
ちょっと近い展開になったから何となく嬉しくなったり。
でも意外な事実もあったりしたので、最後まで楽しんで読めました。

裏表紙の説明には「時間を超えた究極のラブ・ストーリー」と書いてあったけど、それはちょっと違う気がした。
どちらかと言うと、友情とか縁とかって要素が強いかも。

ラストの後に起こる北川健の人生が気になる!
この点で、かなり余韻を残された作品でした。

2004/09/15 Wed | 本 > 日本の小説・エッセイ > さ行 > 佐藤正午

青の炎

青の炎
貴志 祐介

おすすめ平均
もう一度、ニノの世界をみて!!
残るものは少なかった・・・
共感できる殺人者
大人から子供まで読ませたい作品
罪と罰の現在日本バージョン(;´Д`)ハァハァ

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「こんなにもせつない殺人者がかつていただろうか」とかいうキャッチコピーがついていた気がします。
単行本が出た時に気になり、映画化でも文庫化でも気になり、友達のオススメにも入っていたので更に気になり・・・。
その割には、何だか読むのがもったいない気がして今まで未読だったのでした。

大事なものを守るため、完全犯罪を決行することにする「秀一」。
その一部始終が綴られていきます。
殺人をする側からの視点なので、緊迫感が漂っていて読んでいてもドキドキ。
上手くいくんだろうか、罪は暴かれないんだろうかと、結末が気になって気になって。
後半はページを繰る手がもどかしい!って感じでした。
読むまでは『殺人を決意する動機が切ないのかな』と想像していたんですが、それよりも、殺人をした後にわかる事実や展開が切なかった。
最後は何だか苦しいような気持ちになっちゃいました。

読み終わった後も、ラストの後はどうなったんだろうかなどと思いを馳せたりしてました。
紀子や家族、友人のことを考えるとまた切なくて。

貴志祐介の作品を読んだのはかなり久しぶりだったのだけど、期待に反せず面白かったです。

映画の方も観たくなったよ。
でも、「24時間テレビ」以来、二宮クンに好感持てなくなってるんだよなぁ。どうしよ。

2004/09/13 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > か行 > 貴志祐介

ライオンハート

ライオンハート
恩田 陸

おすすめ平均
とてもせつない物語
すばらしい!!!
何度も出会いながら決して結ばれない
幸福と悲しみ、その最後に待つものは…
不完全燃焼・・・

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「ライオンハート」と言えばSMAPだけど・・・。
ケイト・ブッシュというイギリスの歌手の歌から来ているみたいです。

この作品のジャンルは、何て言えばいいんだろう。
恋愛でありSFであり、ミステリーも入ってきたりする。
そして、舞台は日本ではありません。
登場人物も、然り。
ページをめくるとすぐに、カタカナの名前や地名が出てきたので少し意外でした。

海外の小説って、人名も地名もカタカナだし長いしで、実はちょっと苦手なんです。
覚えられなくて何度もページを戻して確認したりしちゃうの。
だから最初は、読むのに時間がかかりそうだなーと思ったりしてました。

この作品では、更に複雑。
軸となる土地はロンドンやパナマなどあちこちに渡っているし、時間も1600年代だったり1900年代後半だったり。
それでも、作者が日本人だからか私の好きな恩田陸だからか、手が止まることなくスムーズに読めました。
何となく海外小説っぽい語り口になっているような気がしたんだけど、それは気のせいかなー?

時と場所を越えて何度もめぐり合う2人。
やっと逢えても一瞬、時には逢えないこともある。
しかしそれでも、2人は強く強く求め合っているのです。

こう書くと、もしかして陳腐な印象を持たれてしまうかもしれないけれど、不自然だとかあり得ないだとかいう思いは湧いてきませんでした。
求め合う理由や次はどんな風に出会うのかなどが気になって、どんどん読み進めてしまいます。

生きる意味、出会う意味。
切ないけれど、何だかスゴイなぁと思ってしまいました。
こういう物語、私は好きです。

それから、各章の扉にある絵も、内容と関連性があって魅力的。
途中で何度か見入ってしまいました。

2004/09/12 Sun | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 恩田陸