感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

非常階段―コーネル・ウールリッチ傑作短篇集〈別巻〉

非常階段―コーネル・ウールリッチ傑作短篇集〈別巻〉

コーネル ウールリッチ Cornell Woolrich 稲葉 明雄
白亜書房
単行本
コーネル・ウールリッチの短篇集。このひとの作品は初めて読んだ。『私が死んだ夜』『セントルイス・ブルース』『さらば、ニューヨーク』『天使の顔』『ぎろちん』『眼』『非常階段』の全7篇。

どれも、先が気になりすぎて早く読みたい気持ちが先走ってしまうような展開。ハラハラドキドキ。アガサ・クリスティーの短篇集『リスタデール卿の謎』に入っている『ナイチンゲール荘』を読んでた時の気持ちを思い出した。

『私が死んだ夜』:苦しいようなドキドキ感
『セントルイス・ブルース』:読み終えた後の余韻がすごい
『さらば、ニューヨーク』:成功したのに消えない絶望感。これも余韻が残ったなあ
『天使の顔』:これは他のに比べると印象が薄かった
『ぎろちん』:ラストはそう来たかと思った
『眼』:こういう、不利な条件で闘うような設定の話ってけっこう好き
『非常階段』:殺人事件を目撃してしまった少年のお話。もどかしいやらハラハラするやらで一気に読んだ

2008/01/11 Fri | 本 > 海外の小説 > コーネル・ウールリッチ

ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード (上)

ダン・ブラウン 越前 敏弥
角川書店
単行本

面白かった!
読む前は難しそうだなあと身構えていたけれど、すごく楽しめた。

宗教の歴史的な背景や聖杯伝説や美術品に隠されたメッセージなど、難しいけど興味深い内容だった。
どこまでが真実なのかはわからないけれど……。

すごく先が気になるストーリー展開なので、まったく飽きずに読み終えました。
謎解きにドキドキしたり、追われてハラハラしたり。
でも最後はちょっと物足りなさが残ったかな。
脇役ではあるけど、ファーシュ警部の胸の内とかイマイチ理解しきれずに終わってしまった気がする。

映画の公開前に、テレビでダ・ヴィンチの作品の謎みたいなのをやってたの。
それを見てたから「最後の晩餐」に潜んでいるメッセージの所などは映像が頭に浮かんで理解しやすかった。
こうなってくると映画も観たいけど、良くないっていう評判も聞くし、どうなんだろ。

2006/07/13 Thu | 本 > 海外の小説 > ダン・ブラウン

ハリー・ポッターと謎のプリンス


さすがに6巻ともなると、何かもう、すごい展開。
5巻よりはページ数が少なかったけれど、内容的にはかなり盛りだくさん。
いよいよいろんなことが判明してきたし、あれこれ動き出しているなという感じ。

すごく面白かった。
でも最後はたたた大変なことに!身もだえしちゃったよ。
まさかと思ったもの。いまだに半信半疑。
ダーリンが「読んでる途中で死ぬかと思った」と言ってたのにも納得の展開でした。

読み終えた後も、余韻に浸ったり、これからの展開を想像したり。
彼ともいろんな可能性を語り合いました。

あー続きが気になる!!!
7巻はいつの発売になるんだろうなあ。
上下じゃまとまりきらないんじゃないかしら。次回は上中下になると見た。

2006/05/26 Fri | 本 > 海外の小説 > J.K.ローリング

赤い薔薇ソースの伝説

赤い薔薇ソースの伝説
4418935053ラウラ エスキヴェル Laura Esquivel 西村 英一郎

おすすめ平均
starsメキシコでベストセラー

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「チョコレート工場の秘密」の話をしていた時に、チョコレートつながりということで友人にオススメしてもらった本です。

事前に聞いていた通り、官能的だった。
でもいやらしいわけじゃない。

台所で産まれたティタの人生のお話。
どんな気持ちを抱えていても、ティタの側には、いつも台所とお料理がある。

美味しそうな料理がたくさん出てくるのだけれど、それがちゃんと物語にかかわっている。
彼女のさまざまな感情が料理に反映され、ちょっと不思議なことが起こったり。
でもちゃんとストーリー性があるし、先も気になるのでどんどん読んでしまった。

ラストはちょっと意外だったな。
だけど余韻がすごく残る終わり方で、読み終わった後もしばらく浸っちゃいました。

2005/10/04 Tue | 本 > 海外の小説 > ラウラ ・エスキヴェル

ガラスの大エレベーター

ガラスの大エレベーター
4566014142ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク 柳瀬 尚紀

おすすめ平均
starsチョコレート工場の続編

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「チョコレート工場の秘密」の続編だということなので、読んでみました。

続編。
たしかに続編なのだけど、チョコレートとか美味しいもの、まったく出て来ないのです。

しょっぱなからいきなり宇宙に飛び出しちゃうし、真ん中くらいまではずっと宇宙。
後半でやっと工場に戻るものの、あるハプニングを解決するためにてんやわんや。

面白いことは面白い。
でも、求めてたイメージとは違った。
ワクワクっていうよりはハラハラだったのよね。
そのハラハラも、光がないというか。

工場の不思議なあれこれや美味しそうなイロイロを読みたかった。
想像してワクワクするのを期待してたのになー。
読むのは「チョコレート工場の秘密」だけで良かったかも。

そしてあとがき、ますますパワーアップしてました。
自分の書いた英語に関する本を「名著です」とか言ってオススメしてるし。
どうもこの訳者さんのあとがきは鼻につくなあ。

2005/09/28 Wed | 本 > 海外の小説 > ロアルド・ダール

チョコレート工場の秘密

チョコレート工場の秘密 ロアルド・ダールコレクション 2
4566014118ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク 柳瀬 尚紀

おすすめ平均
stars翻訳はともかく、児童書としては…
starsがっかり・・
starsじゃんけんのあとだし翻訳
starsうーん・・・
stars不愉快な翻訳

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久しぶりに本を読んだ。
「チョコレート工場の秘密」。
ずっとずっと読みたかったんだよー。ようこそ我が家へ!!

この本、ものすごく面白かった。
ちょっと自分で可笑しくなるくらいワクワクして、あまりに楽しくてもったいないから途中でいったん読むのを中断したくらい。

結局その日のうちに読み終わってしまった。
いやー楽しかった!
活字だけでこんなにワクワクなんだから、もし実際にこんな体験をすることになったらきっとワクワク死にするに違いない。
とにかく映画は観たいなあ。

ケチをつけるとすれば、訳者のあとがきってやつが余計だった。
何か自慢げなんだよ。

名前が勝手に日本語チックな名前に変えられちゃってたのも不満。
ティーヴィー(TV)っていう名字がテレヴィズキーになってたり。
グループって名字がブクブトリーになってたり。
そういう意味が込められてるとは言え、何か無理に和訳した感があってイヤだったのよー。
元の名前が知りたいなあと思ってたらあとがきに書いてあったんだけど、『こういう風に訳さないと本当に訳したことにはならない。以前出ていた翻訳では名前がちっとも面白くない。前の訳者はわかっていたのだろうか』みたいなことまで書いてあった。
自慢げな感じー。キライー。
別にさ、無理に名前を変えなくても、カッコで意味を書いてくれるなり脚注で説明してくれるなりすればいいのになーとか思って。
そうなってくると、実は文章も意訳しすぎて変なことになってるんじゃないでしょうねえとか思ってしまうよ。
まあ読みやすかったし、内容はそのままだろうから、『楽しい作品!!』っていう感想には変わりないのだけど。
ってことで、逆に前の訳者さんの方で読んでみたくなっちゃってます。
でも手に入らないっぽいんだよねー。

それにしても。
やっぱり「食べ物」モノには弱いってことなんだろうかねぇ。
でも食いしん坊な自分はとても好きです。

2005/09/06 Tue | 本 > 海外の小説 > ロアルド・ダール

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)
4001140349C.S.ルイス 瀬田 貞二 C.S. Lewis

おすすめ平均
stars深読みしないで読むのが一番
stars素敵なアスラン
stars大好きだったナルニア
stars世界最強のファンタジーとは。
starsルーシィに乾杯!

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映画化されると聞いて購入。
しばらくほったらかしだったのですが、ようやく読みました。

この本は、もっと小さい頃に読みたかったかなって思いました。

『たんすの中に入ったら、その向こうはナルニア国だった。』
その辺りはワクワクするのだけど、後半は少し重い展開になり、キリスト教っぽい概念を感じたりする。
何かそこで、ファンタジーから引き戻されるような気分になっちゃったのよね。
そういうのを理解できずに読んだ方が、純粋に楽しめたかも。

指輪物語よりは引き込まれたけど、ハリー・ポッターほどのめり込まなかったという感じでした。
でもまだ第1作目。
2作目以降を読むと、ナルニア国への理解が深まってまた違った気持ちになるのかもしれないな。
それを楽しみにしたいと思います。

2005/08/10 Wed | 本 > 海外の小説 > C.S.ルイス

アンネの日記

アンネの日記

アンネ・フランク 深町 真理子 Anne Frank
文芸春秋
単行本

先日「戦場のピアニスト」のDVDを観たら、何だか読み返したくなったので再読。
と言っても、読んだのは小学生くらいの頃だったので、ほとんど内容忘れてました。
そして、今回読んだのは彼の持っていた「アンネの日記」で、これはカットされていた部分を含んだ「完全版」と呼ばれる物のようです。

そのせいなのか、アンネに対して以前とは違った印象を受けました。
今まではアンネに対して、「隠れ家での辛い生活の中でも精一杯明るく生きていた少女」というイメージを持っていました。
それは間違ってはいなかったのだけれど、今回読んでみて、思ってたよりもずっといろいろなことを考えていたんだなーと・・・。

「完全版」でどの部分が増えたのかはわからないのだけれど、同居人に対しての批判や両親への想い、ペーターへの感情などの記述を読んだ時には、アンネってこんなに大人びていたんだ?と感じました。

中には、思い込みや勘違いもあると思う。
それでも、10代前半の少女が、閉鎖された空間の中でこれだけ冷静に物事を考え、自分を分析し自己を高めていこうとしていたというのには驚かされました。

日記は1944年の8月1日でぷっつりと終わっているのですが、後ろの解説に、その後のことが書いてありました。
あぁアンネはこうやって亡くなっていったのかと・・・。
生き延びていたならきっとジャーナリストになるという夢を叶えられただろうに。
死んだ後も生き続けるというアンネの望みがこの日記によって達成されているというということは救いかもしれないけれど、やっぱりこんな運命って悲しすぎる。

何だか遠い時代の出来事のように感じるけれど、たかだか60年前のこと。
今でも世界では戦争が起こっているし、いまだにあまり変わってないのかもしれないね。
いつになったら戦争がない世の中になるんだろう?とふと思いました。

2004/12/12 Sun | 本 > 海外の小説

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻
J. K. ローリング J. K. Rowling 松岡 佑子

おすすめ平均
これまでで一番愚作
びっくりだよ
それでもやっぱり、次が読みたい!
やっぱり!
ハリーポッターシリーズは大好きです!!が…

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シリーズ5作目。今のところこれが最新作です。
上下巻あるのでボリュームがあるんだけど、展開が気になるもんだからついつい朝まで読んじゃったりしてました。
今回は、ウキウキするような場面はほとんどナシ。
新しく赴任してきた教師が最悪で、読みながらムカムカしてくるような仕打ちを次々に仕掛けるの。
ただでさえ心配事が尽きないというのに、学校での楽しみがどんどん奪われハリーのイライラも最高潮。
今回のハリーは、怒ってる時間の方が多かった気がする。
しょっちゅうキレすぎだよーと思ったりもしたけど、余りにもいろんなことが起こりすぎたし、気持ちを持て余しちゃうのも仕方ないのかもしれないなぁ。

気が休まることなく次から次へと事件が続くのよ。
どんどん悪い方へ行く気がして、読みながらもかなりハラハラでした。

でも、今回は、ハリーの味方である登場人物たちも大活躍なの。
皆それぞれ見せ所があってカッコ良かったです。
特にフレッドとジョージのあのシーン!
スカッとしたし、カッコ良かったな〜。

最後には、悲しい事件が発生したり、ハリーに関する秘密が明かされたり。
今後の展開がますます気になるところです。
6作目はいつ出るんだろー。楽しみすぎる。待ちきれないぞ。

2004/11/06 Sat | 本 > 海外の小説 > J.K.ローリング

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上下巻2冊セット (4)
J. K. ローリング J. K. Rowling 松岡 佑子

おすすめ平均
4作目で、ますます、面白い。
長い!!凄い!!
全てが動き出す。
次が待ち遠しい
小説は現代の僕達にかかせません

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シリーズ4作目。上下巻にわかれていてボリュームもたっぷり。
読み応えあったなぁ。
上巻の前半は、読む時間が上手く取れなかったこともあって、50ページ程度ずつしか進まなかったのね。
でも、上巻の後半〜下巻は一気に読んじゃいました。
だって、面白すぎる。

上巻の後半では胸が苦しくなるような気持ちになったり涙が出ちゃったりしたし、下巻はハラハラしっぱなし。
続きを読まずにはいられなかったのよー。

今作が、一番感情の揺れ動きも大きかった気がする。
一緒になって、ムカムカしたり感動したりドキドキしたりしてました。

登場人物の知られざる過去や、ハリーとロンの友情、誰が味方で誰が敵なのかっていう謎。
とにかくいろんな要素がからみあって、スゴイのよホントに。

海外の小説にありがちな読みにくさもないし、未読の方は「今更?」とか言わずに読んでみて!!
映画だけじゃ絶対もったいないよーっ。

2004/11/04 Thu | 本 > 海外の小説 > J.K.ローリング