感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

きんぎょの夢

きんぎょの夢
向田 邦子

おすすめ平均
日常生活のドラマ模様

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短編が3つ入っているのですが、表題作の「きんぎょの夢」は何となーく「阿修羅のごとく」に似た雰囲気を感じました。
もちろん細かい設定は違っているのであくまで何となくなんですが。
四姉妹ではなく三姉妹だという点と、姉妹全員ではなく1人にスポットが当てられているというのが大きく違うところかな?

1ヶ所、とても似たエピソードがあったので、これを書いてから「阿修羅のごとく」へと広がっていったのかなという気がしました。

2冊読んでみて思ったのは、向田邦子という人は普通の人の普通の日常を書くんだなあということ。
その中でのちょっと非日常。
だからついつい夢中で読んでしまうのだけど、ここに収録されているお話はどれも読後に何となくモヤモヤが残りました。

そうやってイロイロ考えさせられるということは良い作品なんだろうなあと思うし、ある意味「余韻たっぷり」なのだけれども・・・。
あんまり私が好きなモヤモヤ感ではないかも。
それでも、他のも読んでみたいなとは思っています。

2004/05/26 Wed | 本 > 日本の小説・エッセイ > ま行 > 向田邦子

阿修羅のごとく

阿修羅のごとく
向田 邦子

おすすめ平均
女に生まれて良かったと思いました。
物語の全貌がわかりました
向田邦子“原作”ってとこが注意ですね
阿修羅のごとく

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向田邦子の作品を読んでみようと思い立ち、映画化されているということでこれを選びました。
でも、元々は放送台本として書かれたもので、小説化したのは別の方のようです。

四姉妹の父に「面倒みてる人」がいることが判明し、4人が両親には内緒であれこれ相談するところから話は動いていきます。
でも、話が進むうちに四姉妹にもそれぞれあまり言えないような事情があることがわかってくる。

それが何ともリアルに描かれていて、ついつい夢中で読み進めてしまいました。
リアルであるが故に、登場人物のセリフにやきもきしたりすることもしばしば。
でも何だか魅力的なんだなぁ。
本当に身近にいそうな感じがするからか、感情移入しやすかったです。
姉妹間のケンカも興味深かった。
きょうだいのケンカって遠慮がないですよね。
でも、私が妹とケンカしたらここまで言うかなぁ?と思うようなセリフまで飛び出してました。

言葉遣いは今の同じ年齢の人とはやっぱり少し違う部分もあると思うけれど、内容に関しては20年以上前に書かれたという古さは感じませんでした。

映画では、大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子が演じているそうです。
読みながら『誰が出てるんだっけ?』と考えたのですが、大竹しのぶと黒木瞳が思い出せずに鈴木京香と小林聡美でイメージしてました。
考えてみれば、長女は45歳という設定だから鈴木京香じゃ若すぎるかぁ。
観てみたくなりました。

それから、新潮文庫の方はシナリオ版らしいので読み比べもしてみたいな。

2004/05/20 Thu | 本 > 日本の小説・エッセイ > ま行 > 向田邦子