解夏
解夏 | |
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映画化で話題になっていたのと、彼が「さだまさし好き」なので気になって読んでみました。
そもそもはミュージシャンなのだからとそんなに気負わずに読み始めたのだけれど、思いのほか素敵な作品でした。
「解夏」は失明する病気にかかってしまった青年のお話です。
まわりの人々はみんな優しく、主人公も一生懸命。
何だか切ないような気持ちで一気に読みました。
さだまさしがあんなに温かい文章を書くなんて。
たしかに歌詞はストーリー仕立てになっている印象だけど、グイグイ引き込ませるように書ける人なんだなあと少し驚きました。
風景の描写も多いのですが、イメージ下手な私にしては珍しく周りの情景が目に見えるようでした。
そういった風景も含めて、いつまでも心に残っていきそうな作品だと思います。
実はこの本は短編集という感じで、4作品が収められています。
長編だと思っていたので『あれっ?』と思いましたが、残りの3つも素敵なお話ばかりなんです。
胸をいっぱいにしながら夢中で読み、読後感良くいつまでもあれこれ考えて1日過ごしていました。
長編で没頭した時間が長い作品だけが余韻を残すわけでは決してないということを改めて思い知らされました。
中古じゃなく本を買ったのはすごく久しぶりなんですが大満足です。
さだまさし、おそるべし!