感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所

大沢 在昌 秋本 治
集英社
単行本

7名の作家さんたち(大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、東野圭吾)が、こち亀の世界を舞台に執筆したアンソロジー。
「こち亀」の30周年と「日本推理作家協会」の60周年を記念して実現した企画らしいです。

「新宿鮫」や「池袋ウエストゲートパーク」の登場人物との競演もウリのひとつのようだけれど、私は両方とも読んでないのでそこには魅力を感じなかったな。

でもこれ、面白かった。
マンガが小説化されるというのはそんなに珍しくはないかもしれないけど、マンガの世界を舞台に独自の小説が書かれるっていうのは見かけないのでは?
7人がそれぞれ違った目線から書いているんだけど、ちゃんと「こち亀」の世界なのよね。
読んでいるうちに、マンガを読んでるような気分に陥ったほど。

私が一番気に入ったのは、東野圭吾作品。本当に、このままの話がこち亀にあるんじゃないかって思った。それくらいバッチリと「こち亀」ワールドになってたよ。
あとは京極夏彦と今野敏のも面白かった。大沢在昌の作品も、内容は好きなんだけど両さんが自分のことを「俺」って言ってるところに違和感を感じちゃってイマイチ入り込めないまま終わってしまった。

「こち亀」大好きな彼から見ると、また違うらしい。
1番が東野圭吾っていうのは意見が一致したけど、2番が今野敏で3番が大沢在昌だって。私がいいと思った京極夏彦は、ちょっと違うと言っていました。

今回の小説たち、マンガ化して欲しい。逆輸入って感じで。
それとこういう試み、他の作品でもやって欲しいなあ。
あ、でもまた「こち亀」でも良い!そしたら宮部みゆきとか読みたい。あと恋愛もの書いてるような人のも読みたいなあ。ばななさんとか山田詠美さんとか。でも「こち亀」読んでる作家さんじゃないと無理だよね…。

2007/06/21 Thu | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

LOVERS

LOVERS
439663191X安達 千夏 江國 香織 川上 弘美 倉本 由布 島村 洋子 下川 香苗 谷村 志穂 唯川 恵 横森 理香

おすすめ平均
stars粒ぞろいの素敵なお話
starsそれぞれの物語。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

恋愛モノはあまり好んでは読まないんだけど、短編でいろんな人が書いてるなら楽しめるかなと思って。
この中で好きな作家さんが見つかれば嬉しいしという目論みもありつつ読みました。

どれも読みやすかったけど、やっぱり恋愛小説って得意ではないみたい。
キレイな表現よりも、『続きが気になって眠れな-い!』的な興奮の方が好きなんだろうな。

どの作品を読んでいても、共通して感じる雰囲気があった。
フワフワ感・・・っていうと何か違うな、何だろ、異世界にちょっと足を踏み入れているような。
上手く言えないけど。
自分にも愛する人にも友人にも置き換えられなくって、どこかにいる他人の恋愛を読んでいるという感じだったなあ。

恋愛小説って読み終えずに挫折しちゃうことが多いから、短編集ってスタイルは私には向いてると思う。
だけど飛び抜けて素敵だと思った作品もなかったし、特別気になる作家さんも出て来なかった。
私はこういう感性がひどく鈍いのかもしれないです。

2005/07/03 Sun | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

ありがと。

ありがと。―あのころの宝もの十二話
4840111553ダヴィンチ編集部

おすすめ平均
stars駄目でした
stars気に入った物語、三つ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

先日読んだ「秘密。」が面白かったのでこれも購入。
テーマは「あのころの宝もの」。
「秘密。」と同じく、12人の作家の作品で構成されています。

恋愛っぽい内容が多いのかと思っていたけれど、必ずしもそうではなかった。
私が好きだなあと思ったのは、「町が雪白に覆われたなら(鵜飼恭子)」「モノレールねこ(加納朋子)」「光の毛布(中山可穂)」「愛は、ダイヤモンドじゃない。(前川麻子)」「届いた絵本(光原百合)」辺りかなぁ。
でも他のも独特な雰囲気の作品ばかりだったし、読んだことのない作家さんたちが多くて新鮮に読めました。
本としては「秘密。」の方が好きだけど。

次に本を買う時は、今回気に入った作家さんの中から選ぼうって思いました。

2005/06/06 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

秘密。

秘密。―私と私のあいだの十二話
4840112347吉田 修一

おすすめ平均
stars相手はどう考えているのか
stars小粋な短編集
stars12人の作家

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

12人の作家たちの作品が収録されています。
それぞれが2つずつストーリーを書いていて、その2つは同じ出来事なんだけど別の人物からの視点で描かれているの。
「冷静と情熱のあいだ」のような、古くは「なぎさボーイ」「多恵子ガール」(古すぎ 笑)のような感じと言えばわかってもらえるかな?

執筆陣が(私にとってかなり)豪華。即買いでした。
ひとつひとつは短編だから、ちょっとした時間でも読めちゃいます。
しかもどれも面白いのよー。
趣向自体が好きというのもあるとは思うけど。

ダ・ヴィンチに連載されていたのでいくつか読んだことがあったんだけど、掲載は一組単位じゃなくて一つずつだったの。
こういうのとは知らずに、ストーリーの片割れだけ読んでた訳だけど、それでも楽しめてました。
それが本にまとまったら裏側視点でも読めちゃうんだよ、シアワセじゃない??オススメです。

2005/05/23 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

七つの怖い扉

七つの怖い扉
阿刀田 高 高橋 克彦 小池 真理子 乃南 アサ

おすすめ平均
粋を集めた作品集
誰にでもお薦めしやすいコワーい短編集
読み応え十分!
有名作家が腕を奮った一冊
お得♪

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

この本は、7人の作家が一編ずつ書いている短編集。
阿刀田高、小池真理子、鈴木光司、高橋克彦、乃南アサ、宮部みゆき、夢枕獏の7人。

私は怖い話がけっこう好き。
映像は苦手なんだけど、本なら平気。
想像力がないのかも(笑)。
でも霊だとか猟奇殺人みたいなものはあまり好きじゃなくて、日常の中の恐怖とか、心理的に怖いっていうのを読むのが好きなんだ。

この短編集は、私の好きではない方の話が多かったな。
霊だとか、殺した人がのりうつるみたいな内容が多かったよ。

乃南アサの「夕がすみ」という話が一番よかったかなって思う。
日常の中の怖い話で、寒くなるような怖さ。

鈴木光司の話は「リング」の続きにあたる話。
「リング」を読んでからもう随分たっているし、あまり面白く感じなかった。
リング未読の人にとってもそれほど楽しめる内容ではないかもって思ったよ。

短編集だからダーッと読めちゃうけど、読まなくてもいいかなぁという1冊でした。

2001/01/01 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー