エンジェル・エンジェル・エンジェル
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梨木 香歩 おすすめ平均 なんて優しい筆致で厳しいことを書くのだろう 神様の気持ちとは 不思議な2つの世界 梨木さんは文庫本がよく似合う・・・ 中編もスペシャルな作家の中編代表作品。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
文庫の厚さは割と薄め、字も大きめなので、読む前は児童書風なのかと思ってました。
でも、梨木香歩ワールドな雰囲気は確かに感じたのだけれど、私が今までに読んだ作品とは少し違ってました。
主人公は、進学校に通うコウコと、ほとんど寝たきりで過ごす「ばあちゃん」。
コウコは「ばあちゃん」のトイレを手助けすることになるのですが、あるきっかけで不思議な現象が起きるようになります。
章ごとに、昔と今とを行き来しながら展開していくストーリー。
ばあちゃんが少女の頃のエピソードと、そこから派生しているであろうセリフ、現代でコウコと交わす言葉でのリンク。
これってきっと必然だったんだ。赦されるってことが必要だったんじゃないかな。
「本当のこと」はお互いにわからないままだったけれど、それで良かったんだろうなと思った。
テーマは思いのほか重いです。
だけど難解ではなく、自然とそこに思いを馳せることができました。
自分が許せない時、自己嫌悪に陥った時、この本を読むと救われる気がするんじゃないかなあって思いました。