感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

コンセント

コンセント
田口 ランディ

おすすめ平均
官能は感応
話題になっただけあって
喪失と共感、生と性…ランディさんの原点?
高熱を出したあとのよう。
コンセントとプラグが生み出すもの

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

友達に「田口ランディいいよー。アンテナが超オススメ。他はまあ普通だけど」と言われたのが購入のきっかけ。
「アンテナ」は先に彼に読ませてあげてしまったので、私は「コンセント」から入りました。

友達によれば「普通」とのことでしたが、私にはとても面白い作品でした。
大学で心理のコースを取っていたし、夢に興味があるので内容に心惹かれたというのが大きいかも。
兄の突然の死がきっかけとなって、主人公の考えや行動、周りとの関係が動いていきます。

後半、精神病に関する話が出てきますが、こういうこともあり得るんだろうなあと思わせられるような展開でした。
どこからが精神病なのかという判断。
『難しいんだろうなぁ』と素人考えでも思いますが、本人の中で起こっていることはやっぱり本人にしかわからないのでしょう。
と言うより、本人にもわからないから他人が判断するのには間違いも起こるのだということ。
境界の曖昧さを疑似体験したような気分になりました。

『コンセント』の意味も、今まで考えてもみなかったけどあり得そう!という新鮮な思いで読みました。
かなり好きな方に入る作品です。
アンテナも早く読みたいな。

ところで、田口ランディって女の方だったんですねっ?
どのくらい作品があるんだろうと思ってオフィシャルウェブを訪ねた際に、初めて写真で知りました。
性的描写が多かったからなのか、近所に「田口」という男の子が住んでいたからなのか、勝手に男性を想像していました。。。(笑)

2004/06/18 Fri | 本 > 日本の小説・エッセイ > た行 > 田口ランディ