感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

メドゥサ、鏡をごらん

メドゥサ、鏡をごらん
井上 夢人

おすすめ平均
難しいところを狙いすぎでは
コワかった・・・
オチはともかくとして・・・
恐さは得られなかった。
果てはどこ?

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作家である藤井陽造が、異様なやり方で絶命。
理由はまったく不明。
しかし、残されたノートから、最後の原稿があるかもしれないとわかる。
婚約者である藤井の娘に協力を頼まれ、主人公がその原稿を求めて行動するところから話がスタートします。

これ、すごく面白かったよー。
原稿を探す過程も面白いのだけど、次々に妙なことが起こるから読んでてドキドキしちゃった。
そして後半、『あれっ!?あれあれ?』と思うシーンが。
瞬間、主人公と同じ気分になった。
これってきっと筆者の思うツボな反応なんだろうなぁ。
昔に読んだ折原一の本を思い出したよ。こういう操られ方って好きだわ。

そして、岡嶋二人の時からそうだったけど、この人の作品って引き込まれ度がめちゃくちゃ高い。
案の定、今回も夢中で読んじゃいました。
本当はもっとイロイロ書きたいんだけど、方向性だけでネタバレしちゃいそうなのでこの辺で。

2005/03/30 Wed | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 井上夢人

オルファクトグラム

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井上 夢人

おすすめ平均
暖かく、優しく、ちょっと寂しい「匂い」

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結婚した姉の家に遊びに行って事件に巻き込まれた主人公、
気がついたら入院してた。
そして、退院した主人公の鼻に異変が!

この主人公、ものすご〜く鼻がよくなっちゃうんだ。
”犬”並み、もしくはそれ以上らしい。
ニオイの感じ方も、人とは違ってしまうの。
目で見るようにニオイがわかるんだ。

最初はとまどっていた主人公だけど、”ニオイ”というものに興味を持ち出したの。
その結果、ますます嗅覚も鍛えられてその実力を発揮する。
できあがった料理のニオイだけを頼りに材料を全部あてたり、調味料の量や火の入れ具合までわかっちゃったりね。

で、これを利用して事件の犯人を追うことを思いつくの。
親友が”シュウタンボウ”というものを発明(?)してくれて、それを使って犯人の行動を分析して追っていくんだ。
ここで立ち止まったとか、誰かと会った、とかね。

・・・何か、こう書くと大して面白くなさそうだな。
あーん、とっても面白いのにー。
久しぶりに、『読むスピードよりも先の展開が気になる方が勝って読みながらウズウズする感覚』を味わったもん。

後半はハラハラしながら読めるし、最後は感動もあり。
うん。おもしろかった!

とはいっても手放しでサイコーというわけではないんだ。
ひとつ、事件の特徴で気になることがあったんだけど、そのことについてはほとんど触れずに終わっちゃったの。
読み終わってしばらくしてから「ん?あれは何だったの?」って思った。
その1点だけ残念だったけど、トータルではかなりの高得点。
オススメよ。

2002/01/01 Tue | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 井上夢人