感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

アンパンマン大研究

アンパンマン大研究

やなせ たかし 鈴木 一義
フレーベル館
単行本(ソフトカバー)

アンパンマンたちやその世界についてよせられた中学生からの質問に、中学校の理科の先生が答えるという形式の本。
理科の先生らしく科学的な観点から答えているところが著者やなせたかしの目を引いたらしく、出版の運びとなったとのこと。
共著ということで、やなせたかしがあちこちにイラストを描いていて、時には質問への答えに補足してあることも。

アンパンマンなので絵本のカテゴリーに入れたけれど、イラストはあれど文章の本なので、ある程度の漢字が読める人向け。

質問を読んで『そういえばそうだ、それ知りたいなあ』と思うこともしばしばあり、楽しく読み終えました。
一日一回は顔を取り替えているというのもこの本で改めて知った事実。

面白かったけど、欲を言えば、地図やパン工場の見取り図とか見たかったな。
アンパンマンワールドには謎も多いらしく、解明されない部分も多かったのがちょっと残念。

2007/12/02 Sun | 本 > 絵本

幸せのちから

幸せのちから コレクターズ・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
DVD

全財産21ドルから億万長者へーー。そんな夢のような人生を本当に実現させた男がいた。
1980年代、サンフランシスコ。妻と5歳の息子と3人で暮らしていたセールスマンのクリス・ガードナーは家賃も払えず、どん底の生活を送っていた。ついには、妻が出て行き、家を追い出され、預金も底をついてしまう。そんなクリスは最後に選んだ道は、自分の才能を信じて一流証券会社へ入社することだった…。

かなり後半になるまで、貧乏すぎてみじめすぎて救いのない状態が続くので、観ていてツラかった。ダーリンが途中えぐえぐと泣いたほど。
実話を元にしているというからあまり脚色はできないのかなとは思うけど、もうちょっと配分がどうにかならなかったのーっと思ってしまった。
貧乏時代の描写がとても長いしインパクトも強いので、観終えた後もそちらの印象ばかり残っていた気がする。成功した気持ちよさはほとんど満喫できなかった。嫌いじゃないんだけど、決して楽しい映画ではないです。エンドロールの時とかでいいから、成功した後の映像がもうちょっと観たかったなあ。

あと、タクシーの運転手さんに訴えられたりしないか最後まで心配しつつ観てしまった。

2007/12/01 Sat | 映画 > 洋画 > さ行

あんぱんまん


最初のアンパンマン。1976年初版。
本のタイトルが「アンパンマン」じゃなくて「あんぱんまん」なところに歴史を感じてしまった。

長く続いているアニメやマンガと同様に、今とはまったく違う絵に驚かされた。
今みたいな2頭身じゃなくて大人体型だし、マントはつぎはぎされてるし、口調は男前。

そして、おなかがすいた人への顔の与えっぷりもすごい。
顔がすっかりなくなるほどあげちゃうんだもんなあ。それでも飛んで工場へと帰る。
今のアニメではちょっと顔が濡れただけで「顔がぬれてちからがでない…」とへこたれちゃうのに、昔は根性があったのだなあ(?)

今とは全然違うけど、いかにも手書きなタッチに和みます。
最初のページで、はるか遠くからアンパンマンが飛んでくる絵があるのだけど、小さいからってものすごくテキトーな絵なので思わず笑ってしまった。

…という具合に今との相違点は多々あれど、ストーリーの基本は同じなので安心して読めます。
この本でアンパンマンが誕生する場面が読めるのかと思ってたんだけど、どうやら違ったみたい。多分「アンパンマンたんじょう」っていうのを読まないといけないのだね。

2007/12/01 Sat | 本 > 絵本

PROMISE

PROMISE (無極) 特別版

ワーナー・ホーム・ビデオ
DVD

中国の映画。
真田広之が主役級で出演しているということで、鑑賞してみた。
チャン・ドンゴンと2人で主役って感じだった。

真田広之扮する大将軍(光明)と、縁あって光明の奴隷になる崑崙(チャン・ドンゴン)、2人から愛される傾城(セシリア・チャン)。
そして彼らの人生に大きくかかわってくるのが、神とのある「約束」。一度誓ってしまったら絶対に変えることは不可能だという運命の誓い。

まず驚いたのが、CG。この感じはわざとなの?と言い合ってしまうような演出が多かった。ウソっぽいというか、いかにもCGっていうか。
ストーリーを追ううちに「わざとだね」という結論にはなったのだけど。

意外に幻想的というか「これって神話?」って思うような場面が多かった。
ほのぼのではないけど設定のあり得なさがファンタジーっぽい。
ストーリーは面白くて、ぶつ切りで観たけど引き込まれたし楽しかった。

2007/11/23 Fri | 映画 > 洋画 > は行

夜のピクニック

夜のピクニック (新潮文庫)

恩田 陸
新潮社
文庫

ひとことで言えば『青春小説』ってやつなんだと思う。裏表紙にもそう書いてあるし。
青春物ってあまり好んでは読まないのだけど、これはすごく面白かった。すごく好き。本屋大賞受賞作っていうのも納得したよ。

舞台は、「歩行祭」という高校の伝統行事。
80キロを歩き通すのが目標で、朝の8時から翌朝の8時まで、休憩や仮眠は挟むもののほぼ歩きっぱなし。
このイベントが進んでいく中で、いろいろなエピソードが絡んでくる。時間的には24時間の話なのだけれど、かなり濃いのだ。

話が進むにつれどんどん引き込まれていくし、続きも気になって、途中からはページを早く進めたくて仕方なくなっていたほど。
誰かから逃げているわけでも、冒険しているわけでもないんだけどね。新鮮な感覚だった。恋愛恋愛してないのもいい。

読み終えた後もけっこう余韻に浸ってしまったよ。いつかまた読み返したくなると思う。
あと、戸田忍くんが断然好みだ。

2007/11/13 Tue | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 恩田陸

3びきのぶたたち

3びきのぶたたち

デイヴィド ウィーズナー David Wiesner 江國 香織
BL出版
大型本

『3びきのこぶた』のパロディーっぽいのかな?と思いつつ読んだ本。
たしかにパロディーではあるのだけど、そう一言で片付けてしまうのはもったいない。
『おおっ!!こうきたか!!』と思って嬉しくなる展開。
どのページでも、思わず絵に見入ってしまった。
これ、好きだなあ。

2007/11/09 Fri | 本 > 絵本

ドコカの国にようこそ!

ドコカの国にようこそ! (fukkan.com)

大海 赫
ブッキング
単行本

小学四年生のフトシの一番の悩みは、毎晩のねしょうべん。
しかし不思議な夢を見たある晩、初めてフトシはねしょうべんをしなかった。
フトシはその夢から導かれるようにして、『ドコカの国』を目指します。

一歩一歩『ドコカの国』に近付いていく過程は楽しいのだけれど、その道のりが大変!
私だったらもう絶対に挫けてる…と思いながら読み進めてました。
ワクワク半分、ハラハラ半分。

ラストの展開が意外すぎてびっくりしてしまった。
読みながら想像していた結末とは程遠かったの。
単なるほんわかエンディングではないのだ。
だからこそ、読後に強い余韻が残った。
これは一口に児童書とは言い切れないなあ。挿絵も著者が描いてるのだけど、これも独特の雰囲気を醸し出してるし。

ちょっとクセになる気がする。
他の作品も読むぞ!

2007/11/07 Wed | 本 > 児童書

少ないモノでゆたかに暮らす

少ないモノでゆたかに暮らす―ゆったりシンプルライフのすすめ

大原 照子
大和書房
単行本(ソフトカバー)

レシピ本などを数多く出している料理研究家である著者の本。
イギリスに留学した経験などを通して、モノは少ない方がゆたかに暮らせると目覚めたそう。
実際にモノ減らしを実行していて、その減らしっぷりは読んでいて驚くほど。
ここまで出来る人はなかなかいないんじゃないかなと思う。

いわゆるHOWTO本ではなく、エッセイに近い感じ。
モノをへらす上で参考になる考え方もあるけれど、『留学中はこんな暮らしをしていた』『私はこうして物を処分した』『私はこうして暮らしている』という体験談的な内容が多いので、単にモノを減らす方法を知りたいという人には物足りないかもしれないな。

本当に、さすがにここまでは無理だわーと思ってしまうほどのスッキリ具合なので、同じことを実践しようとまでは思えなかった。
でもやっぱりモノは少ない方が気持ちいいよねぇとしみじみ感じたので、3割減くらいを目指して頑張ってみたいと思います。

2007/11/06 Tue | 本 > 趣味・実用 > その他

イースト発酵なしのお手軽パン139品


イーストを使わずにパンが焼けるのかーと思って楽しみだったのだけど、ちょっとだけ思ってたのと違ってました。
マフィンやドーナツやクレープは、『パン』のイメージじゃないからなぁ。
ブレッドと名のついているものも、パウンドケーキと言った方がしっくりくるレシピだし。

というわけで、あまりそそられるものは残念ながらなかった。
でもスコーンは作ってみようかな。

2007/11/05 Mon | 本 > 趣味・実用 > お料理

氷菓

氷菓 (角川スニーカー文庫)

米澤 穂信
角川書店
文庫

「春季限定いちごタルト事件」がなかなか楽しかったので、別作品を読んでみました。
違う作品ではあるものの、雰囲気は通じるものがあった。
高校が舞台、ちょっとした事件、謎解き、連作。
主役2人の感じもなんとなく似てるかな。

事件そのものは日常で起こりうるもので、大した規模じゃない。
図書館のある本が毎週借り出されているのはなぜか、とか。
これだけだとほんと大したことじゃないようだけど、実際に読むと確かに謎で、気になってしまうのよ。

高校生にしては小難しすぎるセリフ回しが『こんな言い方しないでしょー』と少し気になったけど、きっとこれが味なんだろうと思う。
んー、でもこれ自体はあまり好みじゃないな。
かと言って登場人物に魅力がないわけではないし、話も面白いので、続編も読みたいなと思ってます。

あと「氷菓」の謎について。
敢えて言葉の意味を説明しなかったのかな、と思った。

2007/10/22 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > 米沢穂信