2013年分
2013年の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6223ページ
ナイス数:224ナイス
クリスマスの4人 (光文社文庫)の感想
1970年のクリスマス、仲良しの男女4人に起きたある大きなできごとがストーリーのきっかけ。その後1980年、1990年、と10年ごとに再会するたび謎は更に深まっていく。井上作品らしい不思議テイスト。読むのが止まらないほどのスピード感はなかったのだけれど、読み終えてからいろいろ考えたり想像したり、長くじわじわ楽しめた。謎自体の驚きよりも、それがどう成り立っていたのかや、登場人物たちの今後のことなどをグルグル考えている時間が楽しかった。
読了日:12月9日 著者:井上夢人
英語がペラペラになりました 読めばナットク、おしゃべり英語コミックエッセイの感想
『やっぱり海外で暮らすのが一番効果があるよね〜日本にいながらにしてペラペラはなかなか難しいよね〜』なんて思いつつ、さらーっと読み終えた。音読50回は、試してみたい。形容詞の順番が勉強になった(もう忘れちゃったけど)。really? の連発で相槌を打ってる様子がかわいくて笑ってしまった。
読了日:11月26日 著者:木内麗子
わたしのウチには、なんにもない。2 なくても暮していけるんですの感想
いや〜すごいなー。ここまで全部しまっちゃうのってすごい。すぐ面倒に感じちゃう私には、これはきっと無理。忙しい日でも1時間はお掃除しているようだし、マメでキレイ好きな方だなという印象。それとも、物が少なくなって家が片付くと、自然とこうなれるのかな? まいさん宅ほどのレベルは求めないけど、少ない物でスッキリした収納には憧れてしまう。私もがんばるぞと思える1冊。
読了日:11月25日 著者:ゆるりまい
わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至りますの感想
捨てられるようになるまでに、いろいろご苦労があったんだなあとしみじみ。お母様、お祖母様のセリフには、聞いたことあるものがちらほら。ひとの物については、難しいよね。私も最近やっといろいろ捨てられるようになっては来ているものの、まだまだ。捨てるのに必要な、気持ちの転換ポイントがもっともっと欲しい。そういう意味では、読んでいて参考になるところがいくつもあった。まいさんほどは無理だしそこまでは目指そうとも思ってないけれど、どんどん進めて自分なりのK点越えしたいな。
読了日:11月25日 著者:ゆるりまい
真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)の感想
今回も、込み入った事情を抱えた人物登場。そして皆やっぱりしっかりと関わってしまう。クレさんがほぼ不在ながら、その展開はいつも通り。ほぼ一気に読んでしまったけれど今回は重い部分が多く、読後感スッキリというわけにはいかなかった。過去のいろいろが明らかになり、読むのがつらいような事実もあった。潰れず進んでいく彼らのこれからが早く読みたい。弘基の想いに変化が訪れるのかも気になる。「午前5時」には明るく終わるかなーと期待。ことばが呪いでなく魔法になりますように。(帯でドラマ化を知る。クレさん合ってたのかなー?)
読了日:11月24日 著者:大沼紀子
真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)の感想
また一気に読んでしまった。とても面白かった。けど、今回は展開がかなり突飛というかいかにもフィクションというか、さすがに普通はここまでないよねーとちょっと冷静になってしまった。まあ今までも、普通の展開ってわけではなかったけども。人間関係も、世間は狭いね状態がすごかった。あとは『だいぶ』の多用が気になった。頻繁すぎて目についてしまう。それでもやっぱり好きな作品。涼香のことがまた読めて良かった。希実のこと、早くもっと知りたい。次に続く終わり方してるので、「午前3時の」も続けて読みますよー。
読了日:11月19日 著者:大沼紀子
真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)の感想
今回もまた、一風変わった困ってる人物が登場。やっぱりどこか歪みが出てしまっていて、それでいて憎めない。そしてなんだかんだと事件は起こり、パン屋さんの面々は自然と奔走することになり、結果的にはいいところに着地する。ストーリーが程よい感じに展開していくし、するする読めるしでついつい一気読み。それぞれ抱えているものは大きいのに、重くなり過ぎないし読後感は気持ちいい。面白かった。すっかりみんなに愛着が湧いちゃってるので、読んでいて楽しかった。写真の謎が気になる。バレンタインの日の様子がかわいくて好きだなー。
読了日:11月15日 著者:大沼紀子
モノを捨てればうまくいく 断捨離のすすめ (DO BOOKS)の感想
ざっと読み返してみて、あれ?この本ってこんなに真面目な感じの本だったっけ?と思った。ブログの方の印象と記憶が混ざっていたみたい。いま読むと、あまり感銘を受けない。ブログありきで読んだから良かったんだな。やっぱりブログの内容の方がリアルで面白いし説得力があって好き。こちらも読み返したけど、私ももっと頑張るぞって気になれた。あの文章のままで出版してくれたら良かったのにーー。川畑のぶこさんのHPからブログへのリンクがあるので、興味ある方は読んでみてください〜。
読了日:11月7日 著者:川畑のぶこ著
真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)の感想
特に大きな事件が起きるわけでもなく、難しい謎解きがあるわけでもなく、描かれているのは、とあるパン屋さんを中心とした人間模様。パンを作るひと、パンを食べるひと。その日常の中に飛び込んで来る、解決すべき問題。登場人物たちはそれぞれどこかクセがあり、過去の何かがきっかけで少し歪みが出ているところがある。でも憎めないひとたちばかり。そんな彼らが少しずつ関わり合って、いい変化が生まれていく。好ましいキャラクター設定に、適度なスピードのストーリー展開。読んでいる時間がとても心地よかった。続編もすぐに読みたい。
読了日:11月6日 著者:大沼紀子
幻想郵便局 (講談社文庫)の感想
タイトルと、表紙のイラストと、『生きることの意味をユーモラスに教えてくれる癒し小説』という裏表紙の説明。これらから完全にほんわかした内容をイメージして読み始めたら、そうじゃなかった。ファンタジーでホラーでミステリーもあるよ、という感じ。あちこち怖くてゾクッとした。でも読後、たしかに癒された感覚も残る。心が届く様子に、何度となく優しい気持ちになった。さむくなったりあったかくなったり。面白かった。それと小池さん似と描写があった青木さんは、なぜか私の脳内ではずっとミッツさんだった(笑)。
読了日:10月31日 著者:堀川アサコ
木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)の感想
部屋の中にひと組の男女。別れを前に、夜通し話をするふたり。彼らの会話や心情がお互いの視点で交互に描かれ、真実が徐々に判明していく。話が展開するにつれミステリー色が強くなるけれど、最後に印象に残るのは、真実そのものではなく心の真実。ヒロとアキの弱さやずるさは、私の中にも存在しているから理解ができる。そこをわかっちゃう自分にちょっと居心地の悪さも感じるけれど。実は誰でも多かれ少なかれそういう部分を持っていて、何となく折り合いつけて生きてるのかなーなどと、変にしみじみしつつ読了。
読了日:10月28日 著者:恩田陸
3日で運がよくなる「そうじ力」 (王様文庫)の感想
断捨離本がきっかけで少しずつ物が捨てられるようになっているのと、最近1日1メンテで片付けを実施中なので、それほど目新しく思うことはなく、そうだよねそうだよねと再確認した感じ。この本に書かれていることすべては実践しないと思うけれど(炒り塩とかきっとやらない)、たまに読み返すとやる気が上乗せされるかも。
読了日:10月3日 著者:舛田光洋
六月六日生まれの天使 (文春文庫)の感想
うーん。叙述トリックは好きなんだけど、この作品は最後まで読んでもあまりピンと来ないというか、「!」とならず気持ち良くなかった。途中で何度か腑に落ちない感じを持ちながら読み進めてはいたものの、後半でそれが明らかになっていっても、何だか無理に理解させられているという感覚。整理できず軽く再読して、ああ こういうことねとわかったけれど、手放しで面白かったとは言えないかなあ。でも、あちこちこまかい描写で違いが表現されているのを見つけるのは楽しめた。直接的で生々しい性的表現が多く登場するので、苦手な方は注意です。
読了日:10月3日 著者:愛川晶
スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)の感想
後半はやっぱりいろいろなことが動いて、伏線も回収されて、謎だったこともクリアになった。前向きで、読後感の悪くない終わり方。でも、危ういバランスながらも楽しかった日々を思うと、少しさみしい。そして、ラストのその続きを想像してしまう。みんなもっともっとシアワセになってたらいい。 ところで、コウちゃんは気持ちが突き動かされたら意外と行動力があってびっくりしました(笑)。
読了日:10月1日 著者:辻村深月
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)の感想
上巻では、ハイツの住人たちの関係や過去の思い出、ハイツでの日々のことなどが描かれていて、特に大きな事件は起きず。でも面白い。これからいろいろ変わっていくんだろうなという期待のせいなのか、途中でやめられずほぼ一気読み。登場人物はみんな癖があってどこか独特で、言動が容易には読めないところも面白いと感じた要因かも。しかも、上巻ラストがすっごく気になる終わり方なので、後半はきっともっと面白くなるんだろうなあとワクワクしてしまってる。このまま下巻に突入しますよー。楽しみ!
読了日:9月30日 著者:辻村深月
東京バンドワゴン (1) (集英社文庫)の感想
数年積んでたら、ドラマ化されちゃったみたいなのでちょっと慌てて(笑)。舞台は下町。大家族。ドタバタしつつも平和な日常の中に、小さな事件。そして謎解き。こういうの好きなんだけど、ですます調ののんびりした語り口のせいなのか、あまりどっぷりハマりきらないまま読了。先は気になるのに集中できないというか、ヘンな感じだった。後半は文体にも慣れたし、登場人物にも愛着が湧いて来たのだけども。続編がたくさん出ていてびっくり。ゆったり気分の時に続きを読みたいなあという感じ。我南人さんを演じるのはあの人よね?合ってるね。
読了日:9月29日 著者:小路幸也
三匹のおっさん (文春文庫)の感想
還暦を迎えた「おっさん」3人が自警団を結成し、ご近所の悪を斬る。それだけ聞いて、地味でまったりした内容を想像していたらいい意味で裏切られました。テンポよく進むし、登場人物は皆いきいき。まったりするヒマ皆無でした。おっさん三匹はまっとうな大人なのに、悪ガキ心を忘れてないから斬りっぷりがやんちゃ。小気味よいのです。それでいて、ご近所の悪とは言えど笑い話で済むようなものでもないので、読後も考えさせられたり身につまされたり。話が進むにつれ、それぞれの家族との関係が少しずつ変わっていく様子も良かったな。好きです。
読了日:9月24日 著者:有川浩
夢違の感想
私は昔から夢に興味があって、夢日記をつけたり過去には夢占いの本を読み漁ったり。この本も夢が出てくるので何だかもったいなくて読めず、1年も寝かせてしまった(笑)。いざ開いたら、止まらない。フィクションだとわかっていても、妙にリアルなのがこわくてこわくて。読みたいけど読みたくない。先の見えない恐ろしさと不安に戸惑いつつ、結局、最後まで一気読み。夢と現実、意識と無意識が混ざり合った世界。「視える」のが前提の世界になっていくのかな。ラストは曖昧。答えも霧の中。考えられる可能性が多くて楽しい。この作品、かなり好き。
読了日:2月14日 著者:恩田陸
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)の感想
夜、何気なく手に取ったら止まらなくなり、そのまま最後まで読んでしまった。面白かったーーー。つらい思い出話に胸が締め付けられるような気持ちになったり、展開にいちいちホッとしたりドキドキしたり、壮大な作戦に緊張したり、思いがけない展開に驚いたり。そしてやっぱり気持ちよく騙されちゃった。哀しい面もあるけれど、いい終わり方。登場人物はみんな味があって、余韻も楽しめた。こうなると映画も観てみたいな。あと、指はみんな試すよね?(笑)
読了日:2月11日 著者:道尾秀介
読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6223ページ
ナイス数:224ナイス
クリスマスの4人 (光文社文庫)の感想
1970年のクリスマス、仲良しの男女4人に起きたある大きなできごとがストーリーのきっかけ。その後1980年、1990年、と10年ごとに再会するたび謎は更に深まっていく。井上作品らしい不思議テイスト。読むのが止まらないほどのスピード感はなかったのだけれど、読み終えてからいろいろ考えたり想像したり、長くじわじわ楽しめた。謎自体の驚きよりも、それがどう成り立っていたのかや、登場人物たちの今後のことなどをグルグル考えている時間が楽しかった。
読了日:12月9日 著者:井上夢人
英語がペラペラになりました 読めばナットク、おしゃべり英語コミックエッセイの感想
『やっぱり海外で暮らすのが一番効果があるよね〜日本にいながらにしてペラペラはなかなか難しいよね〜』なんて思いつつ、さらーっと読み終えた。音読50回は、試してみたい。形容詞の順番が勉強になった(もう忘れちゃったけど)。really? の連発で相槌を打ってる様子がかわいくて笑ってしまった。
読了日:11月26日 著者:木内麗子
わたしのウチには、なんにもない。2 なくても暮していけるんですの感想
いや〜すごいなー。ここまで全部しまっちゃうのってすごい。すぐ面倒に感じちゃう私には、これはきっと無理。忙しい日でも1時間はお掃除しているようだし、マメでキレイ好きな方だなという印象。それとも、物が少なくなって家が片付くと、自然とこうなれるのかな? まいさん宅ほどのレベルは求めないけど、少ない物でスッキリした収納には憧れてしまう。私もがんばるぞと思える1冊。
読了日:11月25日 著者:ゆるりまい
わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至りますの感想
捨てられるようになるまでに、いろいろご苦労があったんだなあとしみじみ。お母様、お祖母様のセリフには、聞いたことあるものがちらほら。ひとの物については、難しいよね。私も最近やっといろいろ捨てられるようになっては来ているものの、まだまだ。捨てるのに必要な、気持ちの転換ポイントがもっともっと欲しい。そういう意味では、読んでいて参考になるところがいくつもあった。まいさんほどは無理だしそこまでは目指そうとも思ってないけれど、どんどん進めて自分なりのK点越えしたいな。
読了日:11月25日 著者:ゆるりまい
真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)の感想
今回も、込み入った事情を抱えた人物登場。そして皆やっぱりしっかりと関わってしまう。クレさんがほぼ不在ながら、その展開はいつも通り。ほぼ一気に読んでしまったけれど今回は重い部分が多く、読後感スッキリというわけにはいかなかった。過去のいろいろが明らかになり、読むのがつらいような事実もあった。潰れず進んでいく彼らのこれからが早く読みたい。弘基の想いに変化が訪れるのかも気になる。「午前5時」には明るく終わるかなーと期待。ことばが呪いでなく魔法になりますように。(帯でドラマ化を知る。クレさん合ってたのかなー?)
読了日:11月24日 著者:大沼紀子
真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)の感想
また一気に読んでしまった。とても面白かった。けど、今回は展開がかなり突飛というかいかにもフィクションというか、さすがに普通はここまでないよねーとちょっと冷静になってしまった。まあ今までも、普通の展開ってわけではなかったけども。人間関係も、世間は狭いね状態がすごかった。あとは『だいぶ』の多用が気になった。頻繁すぎて目についてしまう。それでもやっぱり好きな作品。涼香のことがまた読めて良かった。希実のこと、早くもっと知りたい。次に続く終わり方してるので、「午前3時の」も続けて読みますよー。
読了日:11月19日 著者:大沼紀子
真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)の感想
今回もまた、一風変わった困ってる人物が登場。やっぱりどこか歪みが出てしまっていて、それでいて憎めない。そしてなんだかんだと事件は起こり、パン屋さんの面々は自然と奔走することになり、結果的にはいいところに着地する。ストーリーが程よい感じに展開していくし、するする読めるしでついつい一気読み。それぞれ抱えているものは大きいのに、重くなり過ぎないし読後感は気持ちいい。面白かった。すっかりみんなに愛着が湧いちゃってるので、読んでいて楽しかった。写真の謎が気になる。バレンタインの日の様子がかわいくて好きだなー。
読了日:11月15日 著者:大沼紀子
モノを捨てればうまくいく 断捨離のすすめ (DO BOOKS)の感想
ざっと読み返してみて、あれ?この本ってこんなに真面目な感じの本だったっけ?と思った。ブログの方の印象と記憶が混ざっていたみたい。いま読むと、あまり感銘を受けない。ブログありきで読んだから良かったんだな。やっぱりブログの内容の方がリアルで面白いし説得力があって好き。こちらも読み返したけど、私ももっと頑張るぞって気になれた。あの文章のままで出版してくれたら良かったのにーー。川畑のぶこさんのHPからブログへのリンクがあるので、興味ある方は読んでみてください〜。
読了日:11月7日 著者:川畑のぶこ著
真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)の感想
特に大きな事件が起きるわけでもなく、難しい謎解きがあるわけでもなく、描かれているのは、とあるパン屋さんを中心とした人間模様。パンを作るひと、パンを食べるひと。その日常の中に飛び込んで来る、解決すべき問題。登場人物たちはそれぞれどこかクセがあり、過去の何かがきっかけで少し歪みが出ているところがある。でも憎めないひとたちばかり。そんな彼らが少しずつ関わり合って、いい変化が生まれていく。好ましいキャラクター設定に、適度なスピードのストーリー展開。読んでいる時間がとても心地よかった。続編もすぐに読みたい。
読了日:11月6日 著者:大沼紀子
幻想郵便局 (講談社文庫)の感想
タイトルと、表紙のイラストと、『生きることの意味をユーモラスに教えてくれる癒し小説』という裏表紙の説明。これらから完全にほんわかした内容をイメージして読み始めたら、そうじゃなかった。ファンタジーでホラーでミステリーもあるよ、という感じ。あちこち怖くてゾクッとした。でも読後、たしかに癒された感覚も残る。心が届く様子に、何度となく優しい気持ちになった。さむくなったりあったかくなったり。面白かった。それと小池さん似と描写があった青木さんは、なぜか私の脳内ではずっとミッツさんだった(笑)。
読了日:10月31日 著者:堀川アサコ
木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)の感想
部屋の中にひと組の男女。別れを前に、夜通し話をするふたり。彼らの会話や心情がお互いの視点で交互に描かれ、真実が徐々に判明していく。話が展開するにつれミステリー色が強くなるけれど、最後に印象に残るのは、真実そのものではなく心の真実。ヒロとアキの弱さやずるさは、私の中にも存在しているから理解ができる。そこをわかっちゃう自分にちょっと居心地の悪さも感じるけれど。実は誰でも多かれ少なかれそういう部分を持っていて、何となく折り合いつけて生きてるのかなーなどと、変にしみじみしつつ読了。
読了日:10月28日 著者:恩田陸
3日で運がよくなる「そうじ力」 (王様文庫)の感想
断捨離本がきっかけで少しずつ物が捨てられるようになっているのと、最近1日1メンテで片付けを実施中なので、それほど目新しく思うことはなく、そうだよねそうだよねと再確認した感じ。この本に書かれていることすべては実践しないと思うけれど(炒り塩とかきっとやらない)、たまに読み返すとやる気が上乗せされるかも。
読了日:10月3日 著者:舛田光洋
六月六日生まれの天使 (文春文庫)の感想
うーん。叙述トリックは好きなんだけど、この作品は最後まで読んでもあまりピンと来ないというか、「!」とならず気持ち良くなかった。途中で何度か腑に落ちない感じを持ちながら読み進めてはいたものの、後半でそれが明らかになっていっても、何だか無理に理解させられているという感覚。整理できず軽く再読して、ああ こういうことねとわかったけれど、手放しで面白かったとは言えないかなあ。でも、あちこちこまかい描写で違いが表現されているのを見つけるのは楽しめた。直接的で生々しい性的表現が多く登場するので、苦手な方は注意です。
読了日:10月3日 著者:愛川晶
スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)の感想
後半はやっぱりいろいろなことが動いて、伏線も回収されて、謎だったこともクリアになった。前向きで、読後感の悪くない終わり方。でも、危ういバランスながらも楽しかった日々を思うと、少しさみしい。そして、ラストのその続きを想像してしまう。みんなもっともっとシアワセになってたらいい。 ところで、コウちゃんは気持ちが突き動かされたら意外と行動力があってびっくりしました(笑)。
読了日:10月1日 著者:辻村深月
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)の感想
上巻では、ハイツの住人たちの関係や過去の思い出、ハイツでの日々のことなどが描かれていて、特に大きな事件は起きず。でも面白い。これからいろいろ変わっていくんだろうなという期待のせいなのか、途中でやめられずほぼ一気読み。登場人物はみんな癖があってどこか独特で、言動が容易には読めないところも面白いと感じた要因かも。しかも、上巻ラストがすっごく気になる終わり方なので、後半はきっともっと面白くなるんだろうなあとワクワクしてしまってる。このまま下巻に突入しますよー。楽しみ!
読了日:9月30日 著者:辻村深月
東京バンドワゴン (1) (集英社文庫)の感想
数年積んでたら、ドラマ化されちゃったみたいなのでちょっと慌てて(笑)。舞台は下町。大家族。ドタバタしつつも平和な日常の中に、小さな事件。そして謎解き。こういうの好きなんだけど、ですます調ののんびりした語り口のせいなのか、あまりどっぷりハマりきらないまま読了。先は気になるのに集中できないというか、ヘンな感じだった。後半は文体にも慣れたし、登場人物にも愛着が湧いて来たのだけども。続編がたくさん出ていてびっくり。ゆったり気分の時に続きを読みたいなあという感じ。我南人さんを演じるのはあの人よね?合ってるね。
読了日:9月29日 著者:小路幸也
三匹のおっさん (文春文庫)の感想
還暦を迎えた「おっさん」3人が自警団を結成し、ご近所の悪を斬る。それだけ聞いて、地味でまったりした内容を想像していたらいい意味で裏切られました。テンポよく進むし、登場人物は皆いきいき。まったりするヒマ皆無でした。おっさん三匹はまっとうな大人なのに、悪ガキ心を忘れてないから斬りっぷりがやんちゃ。小気味よいのです。それでいて、ご近所の悪とは言えど笑い話で済むようなものでもないので、読後も考えさせられたり身につまされたり。話が進むにつれ、それぞれの家族との関係が少しずつ変わっていく様子も良かったな。好きです。
読了日:9月24日 著者:有川浩
夢違の感想
私は昔から夢に興味があって、夢日記をつけたり過去には夢占いの本を読み漁ったり。この本も夢が出てくるので何だかもったいなくて読めず、1年も寝かせてしまった(笑)。いざ開いたら、止まらない。フィクションだとわかっていても、妙にリアルなのがこわくてこわくて。読みたいけど読みたくない。先の見えない恐ろしさと不安に戸惑いつつ、結局、最後まで一気読み。夢と現実、意識と無意識が混ざり合った世界。「視える」のが前提の世界になっていくのかな。ラストは曖昧。答えも霧の中。考えられる可能性が多くて楽しい。この作品、かなり好き。
読了日:2月14日 著者:恩田陸
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)の感想
夜、何気なく手に取ったら止まらなくなり、そのまま最後まで読んでしまった。面白かったーーー。つらい思い出話に胸が締め付けられるような気持ちになったり、展開にいちいちホッとしたりドキドキしたり、壮大な作戦に緊張したり、思いがけない展開に驚いたり。そしてやっぱり気持ちよく騙されちゃった。哀しい面もあるけれど、いい終わり方。登場人物はみんな味があって、余韻も楽しめた。こうなると映画も観てみたいな。あと、指はみんな試すよね?(笑)
読了日:2月11日 著者:道尾秀介
読書メーター