感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

球形の季節

球形の季節
恩田 陸

おすすめ平均
懐かしい匂いのする物語
登場人物が読ませます
恩田さんの恐怖+α
恐怖+α
眠る町の記憶

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今まで読んだ恩田陸の本はけっこう気に入ったのが多かったんだけど、これはイマイチだったかな。

町に流れる奇妙な噂や、噂どおりに起こる事件とその真相、
高校生の主人公「みのり」の戸惑いや迷い、親や友達との関係。

『新鋭の学園モダンホラー』と本の裏には書いてあったから位置付けはホラーなんだと思うけど、ホラーというには怖くなかったな。
青春の切なさ?とかそんな感じが強いかも。どうでしょ?

2001/01/01 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 恩田陸

文字禍の館

文字禍の館
倉阪 鬼一郎

おすすめ平均
活字の奇想テーマパーク

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みなさんタイヘンですっ。
ものすご〜〜〜く、ものすご〜〜〜っっくヒドイ本に出会ってしまいましたっ。


祥伝社文庫の15周年記念の企画だとかで、400円文庫っていうシリーズが出されたの。
短編でも長編でもなく、中編ってやつにチャレンジするとかいう。
”物語の原点「躍動」と「変容」を求めて!”とかいう。

この本はそのうちの1冊。
”文字禍の館”とは、大金持ちが建てた、非公開のテーマパーク。
行った人が戻ってこないなどの怖い噂もある所。
そこに、ある3人の男たちが招待されるの。

本の裏側には『ホラー小説に独自の境地を拓く気鋭が、奇抜な手法を駆使して”文字そのものの恐怖”に挑戦した驚天動地の奇想小説!』なーんて書いてあるわけよ。

絶対面白いと確信して買ったというのに、とんだ食わせ物でした。
「奇抜な手法」すぎてアホっぽくなっちゃってます。
ホラーどころか、逆に笑ってしまいます。
というか、ホラーとしてじゃなければ面白いのかも???

途中ちょっと場面が変わるところがあったから『これから面白くなるのね』と思ったものだけど、後半はさらにひどかった(笑)。

新しい試みにチャレンジしてみたんだと思うけど、怖がらせてやろうという意図がミエミエなんだもん。
ラストまで冷めっ放しのまま読み終わっちゃったよ。

設定はいいと思うんだけどなー、やっぱり中編だと中途半端になるのかな?
せめて短編だったらもうちょっとこう、何とかなったのかしら、、、。
それとも【特別書下ろし】に問題があるのか、、、。

いやー、今まで生きてきた中で一番ガッカリした本だったよ。
あまりのヒドサに、彼にも読んでもらったくらい。
彼は「俺の一時間を返してくれ」と言ってたよ。


逆オススメってことで。

2001/01/01 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > か行 > 倉阪鬼一郎

七つの怖い扉

七つの怖い扉
阿刀田 高 高橋 克彦 小池 真理子 乃南 アサ

おすすめ平均
粋を集めた作品集
誰にでもお薦めしやすいコワーい短編集
読み応え十分!
有名作家が腕を奮った一冊
お得♪

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この本は、7人の作家が一編ずつ書いている短編集。
阿刀田高、小池真理子、鈴木光司、高橋克彦、乃南アサ、宮部みゆき、夢枕獏の7人。

私は怖い話がけっこう好き。
映像は苦手なんだけど、本なら平気。
想像力がないのかも(笑)。
でも霊だとか猟奇殺人みたいなものはあまり好きじゃなくて、日常の中の恐怖とか、心理的に怖いっていうのを読むのが好きなんだ。

この短編集は、私の好きではない方の話が多かったな。
霊だとか、殺した人がのりうつるみたいな内容が多かったよ。

乃南アサの「夕がすみ」という話が一番よかったかなって思う。
日常の中の怖い話で、寒くなるような怖さ。

鈴木光司の話は「リング」の続きにあたる話。
「リング」を読んでからもう随分たっているし、あまり面白く感じなかった。
リング未読の人にとってもそれほど楽しめる内容ではないかもって思ったよ。

短編集だからダーッと読めちゃうけど、読まなくてもいいかなぁという1冊でした。

2001/01/01 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

天使のみつけかた

天使のみつけかた
おーなり 由子

おすすめ平均
ほんわか
ふんわり暖かい気持ち。
絵本のようです
心がまあるくなるみたい
大切な人にあげよう

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これは、まあちゃんにオススメしてもらって読んだ本。
こんなところに天使がいるよ、こんな時には天使がいるよってことがかわいらしいイラストと一緒に書いてある本。

読んでてすっごくあったかいキモチになったよ。
ちょっとジ〜ンときちゃうとこもあったし。
日々のちょっとしたできごととか感じたこととか、あちこちに天使はいるんだなって素直に思える本だった。

ちょうど読んでるときにふと窓から外を見たら太陽の光がやさしく入ってきてて、『これがぬくぬく天使かー』なんて思ったよ。

そのあとも『あ、ここにも天使いるかもな〜』って思ったり、久しぶりにそういう『見えないもの』を感じたり、ちょっとしたシアワセに改めて思いを馳せたりできた気がするんだ。
イイ本おしえてくれてありがとー、まあちゃん!

↓まあちゃんが私に言ってくれた、非常にくすぐったいオコトバ↓
『ともちは、なんかみんなを楽しくさせたりシアワセにさせてくれる天使っぽい。
しかもマイペースで自分も楽しんでる天使って感じ。』
そんなふうに思ってもらえるのってやっぱりすごくウレシイ。
自分のこと大すきで、自分がシアワセで、みんなもシアワセなんだったら無敵だよなぁ。ステキだなあ。

2000/01/23 Sun | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > おーなり由子

ひとめあなたに・・・

ひとめあなたに…
新井 素子

おすすめ平均
チャイニーズスープ
切ない話です
未だに読み返します
おもしろい!
こんな物語を書く人がいたんだ

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地球最後の1週間のお話です。
1週間後には地球が滅亡ってことがわかったらどうするか?

主人公の圭子が彼のところまで、けっこうな距離を歩いて会いに行く。
その道中で、いろんな女の人たちに出会うんだ。
みんな一見普通でも、どこか狂ってしまっていて。

その都度、圭子はいろんなことを考える。
その狂った様子が怖いような気もするし、わかるような気もする。

私だったらどうするかな?
これを読んだ頃は、ここまでして会いに行ける彼が欲しいなって思ってた。
今、地球が滅亡するってわかったら絶対ダーリンに会いに行くと思うけど、彼の方も私に会いに来てくれてすれ違ってしまうような気もするぞ・・・。

もう10年くらい前に読んだけどかなりインパクトあったよ。
新井素子の独特の文体、怒涛の句読点攻撃が気になるかもしれないけど、内容はとても好きなのでオススメします。

1990/01/01 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 新井素子