邪魔
邪魔〈上〉 | |
奥田 英朗 おすすめ平均 一級のクライムノベル 説得力がある日常との連続性 平凡な毎日が瓦解していく恐怖。 「最悪」を読む前に読むべし 人物のディテールに舌をまく楽しさ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「空中ブランコ」と同じ作者なんだけど、その印象を引きずったまま読み始めたので、あまりの毛色の違いにビックリ。
上・下巻ある長編。
平凡な主婦「恭子」や警部補の「九野」、悪いことを覚えはじめた「裕輔」、そしてその周辺の人々のことが描かれています。
平凡だった人生が、ちょっとしたキッカケで心惑わされたり、犯罪を犯してしまったり。
追い詰められる恐怖や、何とも言えないやりきれなさ。
一貫して、人間の心の暗い面や、どうにもならないことへの焦りやいらだち、もがきが描かれています。
とにかくみんな必死なの。
息苦しいような気持ちで読み進めていたのだけど、続きがすごく気になるので手は止まらない。
そして最後は『こう来たか〜』とため息。
でも救いのない終わり方ではないし、読後感はそう悪くない。
コミカルさはまったくなくて、最初に読んだのが「空中ブランコ」だった私にとってはホント意外でした。
こうなると、俄然、他の作品も気になってきちゃうよ〜。
邪魔〈下〉