感想文

本とか映画とかゲームとか。ネタバレはしないようにしています。

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)
4001140349C.S.ルイス 瀬田 貞二 C.S. Lewis

おすすめ平均
stars深読みしないで読むのが一番
stars素敵なアスラン
stars大好きだったナルニア
stars世界最強のファンタジーとは。
starsルーシィに乾杯!

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映画化されると聞いて購入。
しばらくほったらかしだったのですが、ようやく読みました。

この本は、もっと小さい頃に読みたかったかなって思いました。

『たんすの中に入ったら、その向こうはナルニア国だった。』
その辺りはワクワクするのだけど、後半は少し重い展開になり、キリスト教っぽい概念を感じたりする。
何かそこで、ファンタジーから引き戻されるような気分になっちゃったのよね。
そういうのを理解できずに読んだ方が、純粋に楽しめたかも。

指輪物語よりは引き込まれたけど、ハリー・ポッターほどのめり込まなかったという感じでした。
でもまだ第1作目。
2作目以降を読むと、ナルニア国への理解が深まってまた違った気持ちになるのかもしれないな。
それを楽しみにしたいと思います。

2005/08/10 Wed | 本 > 海外の小説 > C.S.ルイス

ゲームの名は誘拐

ゲームの名は誘拐
4334738850東野 圭吾

おすすめ平均
starsよくできた誘拐もの
stars身代金受渡し後に山場が

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主人公は「佐久間」。
物語は、ずっとこの人視点で進んでいきます。

佐久間が、仕事上のあることで葛城に恨みを持つところから話はスタート。
彼は葛城の娘「樹理」と半ば偶然に出会い、狂言誘拐を実行することになります。

葛城も佐久間も、共に「ゲームにはいささか自信がある」と豪語する男。
樹理と共犯関係を結んだ佐久間は、ゲームに勝つことができるのか?

狂言誘拐の進め方、現金の受け渡しまでの駆け引き、かなりドキドキしながら読み進めました。
上手くいかないかも、どこかで失敗するかもと思うとやっぱり読んでいても緊張しちゃう。
犯罪者側の視点で描かれている作品って、読んでいる時のドキドキ度、すごいですよね?

で、ある決着を見せたところで少し一息ついたわけなのですが、まだページは3分の1ほども残っているの。
ああまだ終わらないんだなあ、この先はどうなるの〜?と、興味津々。
そこからはまたドキドキの展開でした。

面白かった。
善人がほとんど出て来ないんだけど、不思議と嫌な気持ちにはならず。
素直に展開を楽しめました。

2005/07/21 Thu | 本 > 日本の小説・エッセイ > は行 > 東野圭吾

エンジェル・エンジェル・エンジェル

エンジェル・エンジェル・エンジェル
4101253358梨木 香歩

おすすめ平均
starsなんて優しい筆致で厳しいことを書くのだろう
stars神様の気持ちとは
stars不思議な2つの世界
stars梨木さんは文庫本がよく似合う・・・
stars中編もスペシャルな作家の中編代表作品。

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文庫の厚さは割と薄め、字も大きめなので、読む前は児童書風なのかと思ってました。
でも、梨木香歩ワールドな雰囲気は確かに感じたのだけれど、私が今までに読んだ作品とは少し違ってました。

主人公は、進学校に通うコウコと、ほとんど寝たきりで過ごす「ばあちゃん」。
コウコは「ばあちゃん」のトイレを手助けすることになるのですが、あるきっかけで不思議な現象が起きるようになります。

章ごとに、昔と今とを行き来しながら展開していくストーリー。
ばあちゃんが少女の頃のエピソードと、そこから派生しているであろうセリフ、現代でコウコと交わす言葉でのリンク。
これってきっと必然だったんだ。赦されるってことが必要だったんじゃないかな。
「本当のこと」はお互いにわからないままだったけれど、それで良かったんだろうなと思った。

テーマは思いのほか重いです。
だけど難解ではなく、自然とそこに思いを馳せることができました。
自分が許せない時、自己嫌悪に陥った時、この本を読むと救われる気がするんじゃないかなあって思いました。

2005/07/14 Thu | 本 > 日本の小説・エッセイ > な行 > 梨木香歩

LOVERS

LOVERS
439663191X安達 千夏 江國 香織 川上 弘美 倉本 由布 島村 洋子 下川 香苗 谷村 志穂 唯川 恵 横森 理香

おすすめ平均
stars粒ぞろいの素敵なお話
starsそれぞれの物語。

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恋愛モノはあまり好んでは読まないんだけど、短編でいろんな人が書いてるなら楽しめるかなと思って。
この中で好きな作家さんが見つかれば嬉しいしという目論みもありつつ読みました。

どれも読みやすかったけど、やっぱり恋愛小説って得意ではないみたい。
キレイな表現よりも、『続きが気になって眠れな-い!』的な興奮の方が好きなんだろうな。

どの作品を読んでいても、共通して感じる雰囲気があった。
フワフワ感・・・っていうと何か違うな、何だろ、異世界にちょっと足を踏み入れているような。
上手く言えないけど。
自分にも愛する人にも友人にも置き換えられなくって、どこかにいる他人の恋愛を読んでいるという感じだったなあ。

恋愛小説って読み終えずに挫折しちゃうことが多いから、短編集ってスタイルは私には向いてると思う。
だけど飛び抜けて素敵だと思った作品もなかったし、特別気になる作家さんも出て来なかった。
私はこういう感性がひどく鈍いのかもしれないです。

2005/07/03 Sun | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

はじめてでも編める!あみぐるみ

はじめてでも編める!あみぐるみ
4277490395雄鶏社

おすすめ平均
starsおすすめの1冊です
starsホントに編めた!
stars全部かわいい!

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ネットで時おり見かける「あみぐるみ」。
なぜか急に自分でも編んでみたくなってこの本を買ってみました。

294円という低価格に似合わず、詳細な説明。
きちんとした編み図が出ているし、編み方の写真も豊富でわかりやすかったです。

目を数え間違えて最初ちょっと失敗したものの、ちゃんと仕上げることが出来ました!
制作期間は、まったく触らなかった日を数日含めても10日間。
思ったより簡単だったし、思ったよりも楽しかったです。
また作りたいな♪

2005/07/01 Fri | 本 > 趣味・実用 > その他

邪魔

邪魔〈上〉
4062739674奥田 英朗

おすすめ平均
stars一級のクライムノベル
stars説得力がある日常との連続性
stars平凡な毎日が瓦解していく恐怖。
stars「最悪」を読む前に読むべし
stars人物のディテールに舌をまく楽しさ

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「空中ブランコ」と同じ作者なんだけど、その印象を引きずったまま読み始めたので、あまりの毛色の違いにビックリ。

上・下巻ある長編。
平凡な主婦「恭子」や警部補の「九野」、悪いことを覚えはじめた「裕輔」、そしてその周辺の人々のことが描かれています。
平凡だった人生が、ちょっとしたキッカケで心惑わされたり、犯罪を犯してしまったり。
追い詰められる恐怖や、何とも言えないやりきれなさ。

一貫して、人間の心の暗い面や、どうにもならないことへの焦りやいらだち、もがきが描かれています。
とにかくみんな必死なの。
息苦しいような気持ちで読み進めていたのだけど、続きがすごく気になるので手は止まらない。
そして最後は『こう来たか〜』とため息。
でも救いのない終わり方ではないし、読後感はそう悪くない。

コミカルさはまったくなくて、最初に読んだのが「空中ブランコ」だった私にとってはホント意外でした。
こうなると、俄然、他の作品も気になってきちゃうよ〜。

邪魔〈下〉
邪魔〈下〉

2005/06/29 Wed | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 奥田英朗

空中ブランコ

空中ブランコ
4163228705奥田 英朗

おすすめ平均
starsキャラクターの際立ち具合
starsストレス社会のヒーロー
stars今後の活躍に期待!!
starsおもしろすぎて考えさせられる作品
starsはやいところ三作目を!

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先に読んだ彼が「これは面白いよ!」と言っていたので、かなり期待しながら読み始めました。
で、本当に面白かった!!

5つの短い作品が入っていて、連作集といった感じ。
一風変わった精神科医、伊良部が毎回登場します。
この伊良部先生が可愛いんだわー。
丸々太った体に子供のような無邪気さ、大胆不敵な行動。
それが訪れる患者の警戒心を奪い、癒しを生む。
あれよあれよと伊良部ペースに巻き込まれている内に、症状解決の糸口が見えてきちゃったりするのです。

伊良部のそれは本能なのか、確信犯なのか?
どっちにしても、魅力ある先生なのには変わりない。
好きだなあ。

割と軽いテンポで進んでいくし、読みやすいですよー。
でも考えさせられるところもあったり。
伊坂幸太郎の「チルドレン」と同じニオイをちょっと感じました。

コッコちゃん情報によると、この作品は「イン・ザ・プール」の続編のようなので、こちらも早く手に入れたいな。
でもその前に、本棚でスタンバイしてる「邪魔」を読もうっと。

2005/06/08 Wed | 本 > 日本の小説・エッセイ > あ行 > 奥田英朗

ありがと。

ありがと。―あのころの宝もの十二話
4840111553ダヴィンチ編集部

おすすめ平均
stars駄目でした
stars気に入った物語、三つ

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先日読んだ「秘密。」が面白かったのでこれも購入。
テーマは「あのころの宝もの」。
「秘密。」と同じく、12人の作家の作品で構成されています。

恋愛っぽい内容が多いのかと思っていたけれど、必ずしもそうではなかった。
私が好きだなあと思ったのは、「町が雪白に覆われたなら(鵜飼恭子)」「モノレールねこ(加納朋子)」「光の毛布(中山可穂)」「愛は、ダイヤモンドじゃない。(前川麻子)」「届いた絵本(光原百合)」辺りかなぁ。
でも他のも独特な雰囲気の作品ばかりだったし、読んだことのない作家さんたちが多くて新鮮に読めました。
本としては「秘密。」の方が好きだけど。

次に本を買う時は、今回気に入った作家さんの中から選ぼうって思いました。

2005/06/06 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー

わたしがふたりいた話

わたしがふたりいた話
4061470035手島 悠介

おすすめ平均
starsわたしがふたりいた話

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小学校の頃に読んだ本。再読しました。

自分の家の電話から自分の家の電話番号にかけてみると、当然お話し中を知らせる「ツーツーツー」という音が鳴りますよね。
ところが、このお話では違うのですよ。

主人公の「みどり」が、電話をかけるべき相手が見つからなくて何となくやってみたことでした。
お話し中の音で終わるはずだったのに、不思議なことが起こるんです。

読んだ当時は、すごく不思議でワクワクしつつも、ちょっと怖いような気分になったことを覚えています。
『ありそうでないけど、だけどもしかしてあるかも?』な不思議。
昔からこういうのが好きだったんだなあ、きっと。

いま読んでも楽しめました。
セリフの感じが小学生らしくない丁寧さなんだけど、「全国学校図書館協議会・選定図書」だということを考えれば納得かな?
先生への敬語の使い方とか、こういう本から知らず知らずに学んできたのかもしれないしね。

2005/05/25 Wed | 本 > 児童書

秘密。

秘密。―私と私のあいだの十二話
4840112347吉田 修一

おすすめ平均
stars相手はどう考えているのか
stars小粋な短編集
stars12人の作家

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12人の作家たちの作品が収録されています。
それぞれが2つずつストーリーを書いていて、その2つは同じ出来事なんだけど別の人物からの視点で描かれているの。
「冷静と情熱のあいだ」のような、古くは「なぎさボーイ」「多恵子ガール」(古すぎ 笑)のような感じと言えばわかってもらえるかな?

執筆陣が(私にとってかなり)豪華。即買いでした。
ひとつひとつは短編だから、ちょっとした時間でも読めちゃいます。
しかもどれも面白いのよー。
趣向自体が好きというのもあるとは思うけど。

ダ・ヴィンチに連載されていたのでいくつか読んだことがあったんだけど、掲載は一組単位じゃなくて一つずつだったの。
こういうのとは知らずに、ストーリーの片割れだけ読んでた訳だけど、それでも楽しめてました。
それが本にまとまったら裏側視点でも読めちゃうんだよ、シアワセじゃない??オススメです。

2005/05/23 Mon | 本 > 日本の小説・エッセイ > や行〜その他 > アンソロジー